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イマージョン教育への挑戦 - ワイズプリスクール



YPK トゥインクルスター・コンサートを終えて


去る12月14日(金)、YPK恒例のクリスマスコンサート(発表会)が行われました。

今年から、「トゥインクルスター・コンサート」と名前を改めてみましたが、内容は例年に変わりはなく、子どもたちの2学期までの英語生活&成長の軌跡として、いわば「中間報告」のような位置付けで実施いたしております。

「本番」は、年度末に開催する「アニューアル・コンサート」となります。

年に2回も発表会をする幼稚園・保育園もめずらしいかと思いますが、当スクールでは、「場数を踏むこと」を大切にしたいと思っております。どの年齢の園児さんにも、人の前に立ってパフォーマンスする機会を出来るだけ多く経験してほしいと考えています。

実は「運動会(Sports Day)」についても感じていましたが、「発表会(Concert)」についても、日本と欧米では、捉え方がずいぶんと異なるように思います。

とかく日本人はまじめな性質で、「人前で発表する時は、事前にしっかり練習して立派なものを見せないといけない」と、考えます。すなわち、人前で「失敗」しようものなら、それは「恥」なのです。

一方、アメリカの小学校に娘さんを通わせたことのある知人の話では、アメリカの発表会は、このような日本の感覚とは随分と異なっているのです。

その学校の発表会は、子どもたちがそれぞれにできること(バイオリンの演奏や歌など)を思い思いに披露するというものだったそうです。ですから、子どもたちは「現段階で出来ること」をやるだけであって、そのために練習をするという感覚が全くなかったようです。

彼女の娘さんは、日本人の感覚で必死に練習をしたそうで、一度も間違えなかった彼女の娘さんが学校で一番上手にピアノを演奏し、周囲の保護者から「あなたの子は天才ね!」と、とても褒められたというのです。

さて、翻って、日本のたいていの幼稚園や保育園では、劇は年長さんになってからで、それまでは歌やお遊戯(劇を行うにしても「劇あそび」)を披露する・・・というようなプログラム構成になっていることかと思います(実際、我が家の息子たちはそのようでした)。

しかも先生方は、発表会の1ヶ月以上も前から練習と準備を開始します。(これは当スクールも同様ですが。)

挙句の果てに、日本には「予行練習」なるものがある!(これに関しては、「YPK運動会」の時、ネイティブ教師たちにとても不思議な顔をされました(笑)。)

私が申し上げたいのは、このような伝統的な発表会・お遊戯会のあり方を否定しようというものではありません。ただ、あまりにかしこまりすぎて、子どもの可能性を制限するのももったいないかな、と思うのです。また、無駄に緊張させるデメリット、というのも考えたいです。

これらの日本的発表会・お遊戯会のポジティブな側面としては、親子両方について以下のように言えるでしょう。

まず、親側からすれば、年少では・・・、年中では・・・、そして年長では・・・と、わが子の成長を楽しみにしながら、発表会で立派に学芸を披露する子どもの姿を心待ちにできるということでしょう。

また、子どもの側からも、立派に大役を果たす年長さんに「あこがれ」を抱きながら、いずれやってくる自分の番に、心を弾ませることでしょう。

そして、いずれ「その時」がやってくると、親は一生懸命に取り組むわが子の姿に感涙する・・・。子どもは真剣に大役に取り組む。非常に日本的な「美徳」でさえあると、私は思います。

そんな「美しい日本」(ちょっと時代遅れの言い回し?)の部分を大切にしながらも(すなわち、しっかり準備・練習を積むということです)、私としては、幼いうちから、人前で何かを披露する(見せる)経験というのを出来る限りたくさん味わってほしいと思うのです。

その瞬間は、その場にいる全員が、息を潜めて自分のパフォーマンスを見守っている・・・、そういう緊張の心地よさを、幼い時から体験として身に付けてほしい、と願っています。

ここでいう「緊張」は、ほどよい、心地よいものであって、決して「プレッシャー」ではありません。

たとえば、受験にせよ、このような発表会、あるいは入学式などのセレモニーなどにせよ、日本的な「緊張」は、なんだか「間違ったらえらいことになる」、みたいな「プレッシャー」を感じます。

この「プレッシャー」が好きだ、という子どもは(いや、大人も)一人もいないんじゃないかな、と思います。

ちょっと大げさかもしれませんが、このような「緊張(プレッシャー)」が、日本人に特有の「間違えるのがこわい」とか、「恥ずかしいから黙っていよう」というような考え方を生んでいるのはないかと、私は勘繰ってしまうのです。

間違えたら「エヘッ」と、舌を出すくらい心臓に毛が生えていたほうが、国際社会ではちょうど良いと思うのです。

このような考えの下、心臓に毛の生えた人材を育成するため、YPKのコンサートでは、3才から劇でセリフを与えています。また、毎日のモーニングルーティーンの中で、Show & Tell の機会を与えております。

やっている本人たちはともかくとも、確かに、見ている私たち、特にそのお子さんのお母さまは、「もう、ちゃんとやってよ!」と、内心穏やかではいられないことでしょう。

ですが、そこをぐっと堪えて、わが子の「今現在の最大の頑張り」を認めつつ、見守っていただきたいと思います。(失敗したわが子や周囲に向かって、お母さまが「エヘッ」と舌を出すくらいでいいのでは???)

そして、周囲の大人も、そうやって場数を踏みながら成長していく子どもたちの姿を、傍らでイライラ・ハラハラしているその子の保護者も併せて、すべてひっくるめて、あたたかく見守っていかなくてはいけない。YPKが、そういう場であってほしいと願っています。
by ysdirector2005 | 2007-12-19 21:57 | プリスクール&キンダーガーテン
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